前回はイラショナルビリーフ(不合理な思い込み)についての記事だったね。

ABC理論をまとめると、こんなふうに言えそうだ。

  • (A)出来事が(C)結果(感情)を決めるのではない。
  • その人の(B)(ビリーフ、思い込み)が決める。
  • だから(B)を変えてやればいい。

イラスト「Bによって結果Cが違う」

では、どうやって(B)を変えるのか? (B)は手強いぞ!

イラスト「ねばならぬ」ビリーフ

 

○ABCDE理論

実は、ABC理論には続きがある。それはABCDE理論というんだ。

イラスト「ABCDE理論」

A:出来事(Activating Event)

B:ビリーフ(Belief)

C:結果(Consequence)

 

ABCの次の(D)は何かと言うと、「論駁(ろんばく)」。英語ではDisputeという。

「論駁」が難しければ、「ガンコなBに対してツッコミを入れる」と考えてもいいよ。

イラスト「Bにツッコミを入れるD」

「そのB(信念)は本当?」「どんな証拠があるの?」「そのBを持ってると役に立つの?」と、問いかけるんだ。面白そうだと思わない?

 

○3種類のツッコミ

ツッコミのしかたはいろいろだ。ここでは3種類のツッコミ(論駁)を紹介しよう。

1.論理的な観点からイラショナルビリーフに突っ込む。

イラスト「論理的にツッコム」

たとえば、「試験に不合格だったから自分はダメ人間だ」と思い込んでいる人には、「なぜダメ人間だといえるのか。証明してみて」と尋ねてみる。

もし漠然と「自分の価値は合格・不合格で決まる」と思っているなら、そこにツッコミどころがあるはずだ。

 

2.経験的な観点からイラショナルビリーフに突っ込む

イラスト「Bに対して証拠を求めるD」

たとえば「相手に好かれたい」は自然な願望だ。

だけどそれがエスカレートして、「絶対に好かれなければならない(そうでなければおしまいだ)」となってしまうと、生活に支障をきたすことになる。

そんな人には、「それが本当なら好かれているはずなのに、現実はそうなってないよね」とか「『好かれなければならない』という証拠はどこに?」と、ツッコミを入れることができる。

 

3.実用的な側面から突っ込む

その考えや思い込みを持つことが自分を助けてくれる(helpful)かどうかの観点からツッコミを入れることもできる。

イラスト「Bに『誰トク?』とツッコムD

「つぎの仕事で失敗したらおしまいだ」だと緊張するあまり身動きが取れなくなっている人には「そのビリーフを持つことが自分にとってトクになるか?」と尋ねてみる。

その思い込みをやわらげて、「失敗したら残念だけど、それでも決しておしまいじゃない。次に進んでいける」という新しい考えをもつほうが、少なくとも次の行動に向かっていけるようになる。

 

…こんなふうに、REBTでは「ネバナラヌ」(「怖い」「耐えられない」「価値がない」)という頑ななビリーフに対して、いろんな側面からツッコミを入れて柔軟なビリーフへの変換をうながすんだ。

 

○自分との対話とセルフヘルプ

このREBTの方法は、カウンセリングの現場では、カウンセラーがツッコミ役となって(D)、ビリーフ(B)の改善をうながす。

でも、わざわざ人に頼らなくても、自分自身でABCを見つけ出し、そこにツッコミを入れてもOKだ。

イラスト「自分自身との対話」

これは、いわば「自分との対話」になる。

自分のなかの問題を明確にして現実的、論理的、科学的な側面から検証。そして感情や行動を改善するのがREBTの方法だ。

そうやってセルフヘルプにも使えるのが、REBTの特徴のひとつだね。

15歳の君にも分かる~失敗への取り組み方:REBT入門(7)ABCDE理論のE:効果的な取り組み