前回の記事(4)で、ネガティブな感情にも2種類あり、それを「不健康→健康」へと変えるのがREBTの目標だという話をした。

では、どうやって変えるのか?

ここで、前に話した「ABC理論」を思い出してほしい。

おなじ(A)「出来事」が起こっても、その人がどんな(B)「ビリーフ/考え」を持っているかによって、(C)「結果」が違ってくるんだったね。

イラスト「Bによって結果Cが違う」

ここで注目したいことがある。

BとCは連動している

それは、「BとCは連動している」ということだ。

つまり…

  • 健康な(B)は健康な(C)と連動している。
  • 不健康な(B)は不健康な(C)と連動している。

イラスト「BとCの連動」

「不健康でネガティブな感情(C)を生み出しているのは、出来事(A)ではない。あなた自身の思い込み(B)なのだ」というのがREBTの理論。

だから、感情(C)を「不健康→健康」に変えるためには、(B)を「不健康→健康」に変えてやればいい。

それがREBTの基本戦略だ。

イラスト「不健康なB&Cから健康なB&Cへ」

 

この場合の不健康な(B)を「イラショナルビリーフ」と呼ぶ。

(「ラショナル」rationalは「合理的・理性的」、それに対して「イラショナル」(irrational)は「非合理的・非理性的」という意味)

 

4種類のイラショナルビリーフ(非合理的なB)

代表的なイラショナルビリーフを見てみよう。

(1)「ネバナラヌ」ビリーフ

イラスト「ねばならぬ」ビリーフ

「ネバナラヌ」ビリーフは、「絶対に○○でなければならない!という強い思い込み」のこと。

たとえば…

・自分は絶対成功しなければならない。

・ルールは絶対守らなければならない。

・彼は私を公平に扱わなければならない。

英語で言えば「MUST」の気持ちが強すぎるんだね。

思い込みが強すぎると、感情や行動のコントロールが効かなくなりがち。

イラスト「ポイ捨てに対して怒りが押さえられない人」

学校でルールを守らない生徒を見かけて、怒りが押さえられなくなる人がいるとしよう。

こういう人は、「ルールは絶対に守らネバナラヌ」とか「間違ったことをシテハナラヌ」とか、そういう「ネバナラヌ」が強すぎるんだね。

(冷静に注意するのならいいけれど、「怒りが押さえられない=自分がコントロールできない」のはモンダイだね。)

 

そして「ネバナラヌ」ビリーフが強すぎると、それが達成されない場合に、次の3種類のビリーフが生まれることになる。

  • 「怖ろしい」ビリーフ
  • 「耐えられない」ビリーフ
  • 「価値を下げる」ビリーフ

(2)「怖ろしい」ビリーフ

イラスト「怖ろしい〜」

 

これは「コワイ」「怖ろしい」ビリーフ。

「試験に絶対合格しなければならない」が強すぎる人は、「不合格だったら怖ろしい」というビリーフも持つことになりがち。

「スピーチに失敗したら怖ろしい」「友達に無視されたら怖ろしい」…そんな「怖ろしい」ビリーフがあると、あなたは動揺しやすくなったり、自由に行動できなくなったりする。

 

(3)「耐えられない」ビリーフ

イラスト「耐えられない」

「宿題を完璧にやらなければならない」と思い込みすぎる人は、そのプレッシャーに「耐えられない」ことになりやすい。そして宿題をすぐに投げ出したり、ぜんぜん取り掛かれなかったりする。

「彼女に好意を示してもらいたい」が強すぎると、「無視されることは耐えられない」となり、自然に振る舞えなくなってしまう。

 

(4)「○○はダメだ」(価値を下げる)ビリーフ

イラスト「価値を下げる」

これは「○○はダメだ」というように「価値を下げる」ビリーフ

その対象が「自分」なら「自分はダメだ」となる。「受験に失敗したから」「会社をクビになったから」「異性にフラれたから」…「自分には価値がない/自分はダメだ」となるケース。

 

あるいは、対象が「相手」になると「お前はダメだ」となる。「私に対して好意を示さないお前はダメだ」とか「こんな簡単なこともできないお前はダメだ」とか。

つまり相手に対する「ネバナラヌ」が強すぎて、それが満たされないときに相手を攻撃してしまうケース。

 

あるいは、対象が「人生」「社会」「世界」になる場合もある。「こんな世の中はダメだ」と、否定してしまうケース。

 

ビリーフを「イラショナル」→「ラショナル」に

まとめると、こうなる。

まず、「不安」「怒り」「落ち込み」などの感情(C)は出来事(A)ではなくて、ビリーフ(B)が引き起こしているのだと知ること。

イラスト「Bによって結果Cが違う」

そして、「感情とビリーフ」が連動していることを知ること。

イラスト「BとCの連動」

だから、感情(C)を「不健康」→「健康」へと変えるためには、ビリーフ(B)を変えればいいということ。

イラスト「不健康なB&Cから健康なB&Cへ」

これがREBTの方法なんだ。つまり、感情を適正化するために、ビリーフ(信念、思い込み)を適正化する。

もしそれができれば、人間は「過去」や「出来事」に支配されているわけではなく、自分で自分を変えていくことができることになるね。

第3回で紹介した「失敗したとき、物事がうまくいかないとき、苦しむか、苦しまないかを、あなたは自分で選べるようになる。」ということの意味が少し見えてきたんじゃないかな。

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