MI 動機づけ面接のロールプレイ体験
神奈川県某所でMI(動機づけ面接)の研修会に参加。
MIとは簡単にいうと、「こうしたらいいよ」というアドバイスをせずに、相手の「変わりたい」「○○になりたい」というモチベーションを高める面接技法です。
アドバイスをしない理由は、そのほうが効果が高いから。
もともとアルコール依存の治療から生まれた技法で、禁煙治療から家庭での子育てまで、さまざまな場面で使えます。
この研修会、僕はほんらい初級コースなのですが、今回は例外的に中級コースに参加させてもらいました。
内容は、面接の練習。来談者(=患者)、治療者、観察者に分かれて、ロールプレイを行います。
来談者の相談事はどんな設定でもOK。ぼく以外は実際に医療現場ではたらいている方々なので、最近あったケースについて、その来談者を念頭におきながら、自分とは性別も年齢もちがう役割を演じる方もいます。たとえば、本人は40代女性なのだけど、20代男性患者を演じるというように。
これが、やってみると、すごく面白い!
ポイントは3つ。
- アドバイスをしない
- 事実関係に反論しない
- 話が堂々巡りにならないように、目標や方向を明確化する
たとえば、「家族に禁煙を薦められて初めて治療に訪れた」来談者がいるとします。
普通なら、医者や看護師の立場で「○○したほうがいい」というアドバイスをしたくなります。でもそれをしない(1)
また来談者が「タバコはそんなに体に悪くないと思うんですよね~。タバコ吸って長生きする人もいるし」というような発言をした場合、「いやいやそうじゃなくて…」と反論したくなります。でもそれも行いません(2)
とにかく、相手の発言を丁寧に聴いて、温かく受け入れる態度で接します。
これはいわゆる「傾聴」の技法です。
でもそのままだと、話が堂々巡りになりがちなので、タイミングを見つけて、「どうなりたいのか」「そのために何ができるのか」などの方向性を一緒に確認していきます(3)
これはけっこう技術がいるところですね。ふだんから多くの患者と接している医療従事者の方でも、うまくいったところと、いかなかったところ、いろんなチェックポイントがあったようです。
聴き方の技術で、医療の効果もちがってくる。貴重な経験でした。
↑帰りの電車の車内で