世界的カリスマコーチが自殺志願者に投げかけた質問とは?
カリスマコーチの研修会
数日前、コーチングのプロと話す機会がありました。
コーチング(coaching)とは、人材開発の技法の1つ。 対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術であるとされる。 相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促すとするコミュニケーション技法である。
(Wikipediaより)
その人が以前、世界的なカリスマコーチの研修に参加したときの話が面白かったので、ご紹介します。
その研修はオーストラリアで一週間に渡って行われたそうです。参加費も100万円ぐらいしたそうです。世界中から2,000ほどの参加者が集まり、その数パーセントは日本人だったとか。
一週間に渡って行われるなんて、ロックフェスみたいですね。日本人参加者は律儀にノートを取ろうとして、途中疲れてしまいがちだけど、外国の人は、聴きたいときに聴いて、休みたいときに休むが多かったそうです。
自殺志願者を30分で変化させた質問
さて、そんな参加者の中には、メンタルが不安定な人もいます。そのカリスマコーチが「いま、自殺したいと思っている人」と尋ねると、2,000人のうちの20人〜30人ほどが手を挙げたのだそうです。
その中の1人をコーチが指名し、いろんな質問をはじめました。それを30〜40分ほど続けると、それまで「自殺したい」と思っていた参加者が、一転して生きる喜びいっぱいの様子に変化したのだそうです。
もちろん、2,000人が集まった会場の熱狂的な雰囲気も大いに影響したに違いありません。とはいえ、わずか30分で人生への向かい方をガラリと変えてしまうという質問技法に私は興味を持ちました。
その話をしてくれたプロコーチに私は尋ねました。「そのカリスマコーチはどんな質問を投げかけたんですか?」
それは例えばこんな質問だったそうです。
自殺願望があるという参加者に、その人が「できないと思っていること」を聞きます。(私たちはふだん「あれができない」「これができない」と悩みがちですよね)
その「できないと思っていること」を聞き出したあと、こんどは会場全体に向かって「それができない人はいますか?」と質問します。すると、何百人という人が手を挙げるのです。
「○○ができない」と悩んでいる人にとって、同じように「○○ができない」人が大勢いることは励みになることでしょう。そして何より、同じように「○○ができない」人の中でも、死にたくなるほど悩んでいる人もいれば、気にせず前向きに生きている人もいる。その事実に気づくことは、大きな意味があったに違いありません。
「受け止め方」の違いで変わる
「お金がない」「……に嫌われた」「○○ができない」などなど、人の悩みは尽きませんが、その悩みは現実だけが引き起こしているわけではありません。むしろ、その現実の「受け止め方」が原因となっている場合が多くあります。
同じように「○○ができない」ということでも、深刻に悩む受け止める人もいれば、気にしない人もいる。そのことを知っておくだけでも、毎日を楽に生きるために役立ちそうですね。