相手の気持ちは「分からない」~阿川佐和子の「聞く力」
毎日新聞のインタビューから、『聞く力』が大ベストセラーになった阿川佐和子さんの言葉。
私たちはつい「分かります」と相づちを打つことがあります。
でもそれは本当なんでしょうか。
「相手の気持ちは分からない」。
その「分からない」ことを踏まえたうえで、なんとかして分かろうとすること。
気持ちに寄り添うこと。
そうして初めて、「何を訊くか」という質問もでてくるのではないでしょうか。
阿川さんになら。阿川さんだからこそ。つい話してしまう。どうすれば相手にそう思ってもらえるのだろう。「やっぱり一生懸命、聞くことですね。よく『分かります』って相づちを打つでしょう。でも、言われた方は言われた途端『分かるわけないでしょ』って思うじゃない? 相手の気持ちは分からない。分からないけど、これと比べたらどうかなと自分の記憶の引き出しを引っ張り出して、あれこれ想像して、できるだけその人の気持ちに寄り添うようにすると、おのずと質問も出てくるということはありますね」