人間を「六面体」としてとらえる

前回の記事で、阿川佐和子さんの『聞く力 心をひらく35のヒント』から、「人間は三百六十度の球体である」というお話を紹介しました。そのバリエーションを思いついたので、メモしておきます。それは、人間を「六面体」としてとらえる方法です。

六面体(サイコロの形)のイラスト

たとえば、阿川佐和子さんという人物を3つの切り口で捉えるとどうなるか。イメージしてみます。

  • 人なつっこい
  • 文章で人物を描写するのが上手
  • お見合い回数多いが独身

これで何となく彼女の特徴が掴めたような気がします。でも人間というものは、そう単純に割り切れるものではありません。明るい人にも暗い部分が、お喋りな人にも寡黙な部分があるものです。だから、最初に思いついた3つの特徴の反対側も想像してみます。

  • 人なつっこい(子供のころから厳格な父が苦手だった)
  • 文章で人物を描写するのが上手(テニスやゴルフなどスポーツが好き)
  • お見合い回数多いが独身(年上のパートナーがいる)

すると、阿川佐和子さんという人物に対して、3つの特徴とそれぞれの裏面を合わせて、6つの面がイメージできました!

いかがでしょう? こうすれば、たとえば「阿川佐和子=エッセイが上手」と一面的に捉えるよりも、人物像が立体的に浮かび上がってきませんか。

あっもちろん、ここでリストアップした3つの特徴とその裏面は、てきとうに書いただけなので、これが彼女についての正解だと言い張るつもりはありません。事実関係がまちがっている可能性もあります。最初に作ったイメージに固執するのではなく、新しい情報や気づきに合わせて、「六面体」をヴァージョンアップさせていけばいいのです。

「この人にはどんな面があるのだろう」「一見○○に見えるけど、その反対側は何だろう」と考えれば、相手にいろいろと質問して、一歩踏み込んだ関係を築くことができるかもしれません。初対面の相手、苦手なタイプの相手も、「六面体」だとしたらどんな面があるのか、見えている面と見えていない面は何か…などなど、想像をふくらませてみようと思いました。

 

※この記事は旧ブログ「質問学」(2015-10-20)の転載です

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