「気になって手につかない」ときの3つの解決策
「好きな人のことが気になって勉強が手につかない」
「仕事の大ミスが頭から離れず目の前のことに集中できない」
「家庭の問題が解決せず何も頭に入ってこない」
…などなど、あることが気になって別のことが手につかないときって、ありますよね。
今回は、そんなときの解決策を3つ紹介し、なかでもREBT(論理療法)の観点からお薦めの方法について説明します。
「あること(A)が気になって、目の前のこと(B)に集中できない」場合の解決策は、大きく3つあります。
上のマンガのように、「彼女とケンカしたこと(A)が気になって、資格の勉強(B)が手につかない」例で考えてみましょう。
○解決策1:気になっていること(A)を先に解決する
ひとつめの解決策は「気になっていること(A)を先に解決する」です。
こケースなら、「彼女と仲直りする」です。
もちろん「彼女と別れる」でもいいですよ(笑)
いずれにしても、気になる方の問題(A)を先に消去する方法ですね。
これができれば話は早いですが、やっかいな問題だからこそ気になるのであって、そう簡単にはいかないことが多いです。
○解決策2:気になっていることひとまず棚上げにする。
2番めの解決策は「気になっていること(A)をひとまず棚上げにする」です。そして目の前のこと(B)に集中します。
たとえば、気になっていること「彼女と仲直りしたい」を、とりあえずノートに書き出してしまいます。
そして、このことはいったん頭から消去して、目の前の作業に集中します。
これは効果的な方法です。
でも、それでもやっぱり気になってしまうときはどうするか?
それが3つ目の方法です。
○解決法3:「気になるのはしかたがない」と受け入れる。
「気にならないようにする」のではなく「気になるのはしかたがない」と受け入れて、目の前の作業に取りかかる。(=REBTの方法)
これはどういうことでしょう?
「Aが気になるから、Bができない」というとき、私たちはAとBの2つの問題(やること)を解こうとしています。
解決策1は「Aから先に解く」、解決策2は「Aを棚上げにしてBを解く」という方法でした。
解決策3は、「Aは受け入れる。だからといってBに取り組めないほどではない。たとえベストの状態じゃなくても(Aが気にかかっても)、なんとかBを進めよう」という方法です。
○禁煙とイライラ
「禁煙するとイライラするから、禁煙できない」という人がいます。
この人は、「イライラしないようにする」(A)と「禁煙する」(B)という2つの問題を解決しようとしているわけですね。
両方クリアできるにこしたことはありませんが、もし本気で禁煙を成功させたいなら、問題を1つに絞るという手があります。
「(たとえイライラしても、それはありうることだ。とはいえ耐えられないほどではない)とにかく禁煙に取り組む。」と、覚悟を決めるのです。
(参考記事)禁煙に効果的な「論理療法」 強固な意志より柔軟な思考を(時事メディカル)
○隠れている「思い込み」
「Aが気になるから、Bができない」というとき、私たちの中には目標を妨げる何らかの思い込みがあります。
(目標を妨げる思い込み)
- Aは絶対に解決されなければいけない。(例:ケンカした彼女とはすぐに仲直りしなければならない。さもないと、資格の勉強に取り掛かれない)
- Aが解決されないままでは、Bに耐えられない。(例:ケンカ中の彼女のことがにかかると、資格の勉強に耐えられない)
など。
でも、そのガンコな思い込みを少し和らげてみませんか。そうすることで目の前の問題に取り掛かるようにします。
(柔軟な考え)
- Aがいますぐ解決できなくても、まあ仕方がない。(例:彼女とはまだ仲直りできてないけど、仕方がない。とにかく今日やると決めた資格の勉強はやってしまおう。)
- Aが解決されなくても、耐えられないほどではない。(例:ケンカ中の彼女のことは気になるけど、だからといって、勉強に耐えられないほどではない。今日はベストな状態ではないけれど、決めたことはとにかくやってしまおう。)
○まとめ
「気になって手につかない」ときには3つの解決法があること。その中でも特に3番目の解決法をREBTの観点から紹介してみました。
- やることを1つに決めて取り組む。
- たとえ別の問題が気にかかっても「気にかかるから、耐えられない」ではなく、「気にかかっても、なんとか耐えられる」と思い込みを和らげて、目の前の仕事を進める。
ぜひ参考になさってください。