REBTにおける「ネガティブな感情」の扱い方
皆さん、イライラしてますかー?
僕は今日イライラしました。
日曜、午前中に用事があって戻ってくると、家の中でピアノの音が聞こえてくる。…イラッ。
昼寝して、起きるとまたピアノの音が聞こえてくる。…イラッ。
中学生の息子が弾くピアノは「これだけ弾けたら気持ちいいだろうな…」と羨ましくなるぐらい、程よく感情が乗っていて、それだけ聞くといい演奏。
でもね…
もうすぐ学校の中間テストが始まります。
テスト前になると、ひたすら寝るか、ピアノを弾いているかという息子。
勉強しろよ!…イラッとなるのでした。
REBTにおける「ネガティブな感情」の扱い方
○健康でネガティブな感情(HNE)
さて、こういう「イラッ」とするようなネガティブな感情は論理療法(REBT)では禁じられているのでしょうか?
そんなことはありません。
- 「子供が勉強しなくて、イラッ」(苛立ち)
- 「好きな人に無視されて、がっかり」(失望)
- 「単調な仕事が多くて面倒」(適度の欲求不満)
- 「可愛がっていたペットが死んで悲しい」(悲しみ)
など、ぜんぶOK。ネガティブな感情も含めて喜怒哀楽を受け入れます。
だから、「イライラする。ムカつく」もとくに問題にはならないんですね。
「ネガティブな感情はいけないから、何が何でもポジティブに変換しなきゃ!」とはなりません。
ここで見たように、ネガティブな感情の中でも自分が日常生活を送るうえで妨げとはならないものを、論理療法では「健康でネガティブな感情」(Healthy Negative Emotions/ HNE)と呼びます。
○不健康でネガティブな感情
一方、ネガティブな感情が行き過ぎて、日常生活や何らかの目的達成の妨げとなる場合があります。
- 「子供が勉強しない。どなりつけてしまって、関係が悪化」(過度の怒り)
- 「好きな人に無視されて、生きる気力も失った」(絶望)
- 「単調な仕事が多くて耐えられない。すぐに投げ出してしまう」(強い欲求不満)
- 「可愛がっていたペットが死んで、何も手につかない」(うつ状態)
こちらは、日常生活に支障をきたし、またその人が本来やりたいこと(目的)を妨げるという意味で「不健康でネガティブな感情」(Unhealthy Negative Emotions/ UNE)と呼びます。
○「不健康」(UNE)から「健康」(HNE)へ
「不健康でネガティブな感情」にとらわれたときは、それに対応する「健康でネガティブな感情」を設定し、そこへの切り替えを目指すのが論理療法の定石です。
さて、今日はイラッとしたところで、気分転換に水泳にでも行ってこようかな…