REBT(論理療法)の研修をムンバイで!
2月の最終週、インドのムンバイで論理療法の研修を受けてきました。
数ヶ月前までまさか自分がインドで受講するとは思ってもいなかったのですが、レギュラー番組の契約が終わって時間ができたところ、以前ニューヨークで受けたプライマリー研修の続きがムンバイでも受けられることを知り、思い切って申し込んでみました。
人生初インド!
REBT(論理療法)の研修をムンバイで!
講義を担当する先生は2人。
論理療法の中心人物のひとりで、200冊以上の著作があるドライデン先生がイギリスから。
そして、ムンバイのREBTセンターの代表であるスワティ先生。ニューヨークのアルバート・エリス研究所で訓練を積んだスーパーバイザーです。
ちなみに、来年1月にはREBTの世界大会がここムンバイで行われることも決まっています。
20人のクラスのうち僕以外は全員インド人、皆さんプロのカウンセラーや精神科医、大学の助教授などで、訛りはさまざまながら英語は何不自由なく喋れる人たちでした。
僕は英語力不足を痛感しながら、なんとかついていく感じで!
○MUST(ネバナラヌ)を無効にせよ!
ドライデン先生の授業では何度か面白い「コール&レスポンス」がありました。
先生が “Assert preference”(好みを主張せよ) と言うとみんなが “Negate MUST”(ネバナラヌを無効に)と応えるのです。
20人のうち18人はプライマリー研修から連続して受講しているので、きっとそこでこの話があったのでしょう(僕は2018年にNYで受講)。ちょっとした標語のようなものでしょうか。
これは柔軟な考え方を目指す論理療法らしい掛け声で、噛み砕けば次のような意味になります。
「合格したい」「彼氏を作りたい」「ルールを守って欲しい」など、好みや願望はどんどん主張してOK。
たけど、それが頑固な要求(MUST)にエスカレートして「絶対合格しなければならない。――そうでなければ人生おしまいだ」とか「彼氏を作らなければ。――でないともう耐えられない」「誰もがルールを絶対に守らねばならない――そうでない人間は許せない」になってしまうと、そこにさまざまな支障がでてきてしまうのです。
論理療法の創始者アルバート・エリス博士は Mustへの絶対化をマスターベーション(masturbation)に引っ掛けて “Musturbation”と呼びましたが、ドライデン先生は独自の伝え方を工夫されているのですね。
…そんなこんなを体験しながら、カウンセリング実習にも徐々に慣れ、3日目の実習では他のクラスメイトが使っていなかった方法を試してみたところ、(英語では苦労しているけど)「REBTをちゃんと理解している」とスワティ先生に褒めてもらって、少しだけ自信にもなりました。
○楽しかったムンバイ
最終日終了後は、クラスメイトから飲みにも誘ってもらって、インドに来る前は予想もしてなかった楽しい時間が過ごせました。
ムンバイでのREBTアドバンスト研修は忘れられない体験になりました。
授業では「結婚には親族の承認が必要」などインドならではの家族問題についてのディスカッションも。
一方、休憩時間にクラスメイトと日本の問題について話すと「ひきこもり」など独自の問題があることは有名なようでした。
今回の研修を活かしながら、「家族のセルフヘルプ」への論理療法の適用に取り組んでみます。