オンライン哲学カフェ「ふぃっとねす」レポート〜手元にある道具で
先週末に開催したオンライン哲学カフェ「ふぃっとねす」〜第1回:怒りのアンガーマネジメント!が無事に終わりました。
「哲学カフェ」なので、「なぜ怒ってはいけないのか?」という問いを投げかけ、「怒ってもいいよね」「では、怒らない方がいいのはどんな場合だろう」というようにディスカッションを行いました。
(怒りのエネルギーを肯定的に捉えた名言の例)
- ネット上で誰かの悪口を書く暇があれば、小説でも書いて怒りを形にすれば良いんじゃないか、って思います。オレは会社での怒りをマンガにぶつけたから、おもしろいものが描けたと思ってる。ーー蛭子能収(えびすよしかず/漫画家)
- 『負けてたまるか』という怒りの感情が原動力になる。ーー羽生結弦(フィギュアスケート選手)
- 怒りは必要なものである。怒りがなければ、怒りが心に満ちあふれ気概に火をつけるのでなければ、なにごとも打ち破ることができない。ただし、怒りを指揮官でなく、兵士として扱わねばならない。――アリストテレス(古代ギリシャの哲学者)
えびすさんもアリストテレスも、怒りのエネルギーについて語っていますね。
構成について、こんな感想もいただきました。
(感想:40代男性)
とても自然な導入で、すっと内省することができました。講座の後、落ち着いた
心境になれ、とても有り難く感じました。(中略)
とてもテンポよく、かつ納得間のある構成でした。ブレークアウトルームの時間はもう少し長くても良かったかもしれません。
では、怒りがその人自身の目的を妨げるのはどんな場合なのか?
そんな観点から、アンガーマネジメント=怒りの対処法を考えてみました。
余談:イラストについて
話は少しそれますが、個人的にちょっと面白かったのは、今回はじめてお会いした方が「このイラストは藤本さんが描いたのですか?」と質問してくれたことです。
今回は他にも昔からの友人も参加してくれたのですが、翌日電話で「イラストがいいね」と褒めてくれました。
絵については、デッサンなどのちゃんとした技術があるわけではないので、いつも「下手だなあ」「上手く描ける人が羨ましいなあ」と思いながら描いています。
上手な人を見ればきりがないけれど、手持ちの道具で自分にできることを積み重ねている感覚でしょうか。
私の場合、REBT(論理療法)や動機づけ面接も、同じように「手元にある道具」という感覚です。
いちどにあれこれ沢山のものは持てないけれど、とにかくこの道具については一人前に使えるようになろう。
それが人の役に立つと、月並みですが「やっててよかったなあ」と思います。
今回、参加してくださった皆さまありがとうございました。
今回は「怒り」の感情を扱いましたが、「不安」「罪悪感」「恥ずかしさ」「マジ無理」など、他のネガティブな感情、また「ズルズルと先延ばしにしてしまう」などの行動の問題も原因や対処法が共通するところがあるので、また機会があれば。
その先にあるのは、「ひとりひとりが持ち味を発揮できるコミュニティ」でしょうか。
手作り、手探りですが、マイペースで取り組んでいきたいと思います。
藤本祥和(ラジオディレクター/REBT心理士)