REBT:「承認欲求」をほどほどにすれば、自分で決断できるようになる
「他者から認められたい」という承認欲求は、あなたが目標に向かって行動するモチベーションになります。
ところが一方で、承認欲求が強すぎれば、それは「不決断」(決断しないこと、決断できないこと)の原因になると、論理療法で有名なエリス博士は述べています。
たとえば、Aさんは自分の会社の経営状況が苦しくなり、従業員3人のうちの1人に辞めてもらわなくてはならなくなりました。しかし、赤字が膨らむ一方で、Aさんは従業員の誰にも嫌われたくなかったので、誰に辞めてもらうか決断することができませんでした。
結局は、1人が他の職場にチャンスを求めたいという理由で辞めたことで丸く収まったのですが、ここで分かるのは、Aさんにとって大切なことは、事業を救うために経費を削減することではなく、従業員から嫌われないことでした。
フェイスブックやインスタグラムも
最近の例ではフェイスブックやインスタグラムなどのSNSの「いいね!」ボタンも、承認欲求を利用したシステムです。
自分の投稿に「いいね!」がたくさん付けば嬉しいけれど、1個もつかなければ、自分には友達が少ないのか、友達が自分に感銘を受けてくれないのか、どちらかの事実を容赦なく突きつけられたことになります。
「いいね!」がつくかつかないかのギャンブル的なフィードバックほど、人間は欲しくてたまらない気持ちになります。そして、SNSの「いいね!」を通じた他者の承認だけをもとめるようになると、そのチェックで一喜一憂することに時間を費やすようになり、自分の仕事に落ち着いて取り組むことができなくなります。
承認欲求は、ほどほどに。他者から認められると嬉しいのは当然ですが、それよりも自分の決断の割合を大きくしておくことが大切です。自分の決断と他者の承認=7:3 あるいは 8:2ぐらいがいいバランスだと、私は考えています。