恐怖を存分に味わえば、恐怖を克服できる(エクスポージャー)

恐怖を感じると、人はそれを回避しようとします。大昔の祖先が危険から身を守るために恐怖という感情を持つようになったのだとしたら、それも当然ですよね。

ところが面白いことに、客観的に見て安全が保証されている状況なら、恐怖を克服する効果的な方法は、あえてその恐怖に身をさらしてみることなのです。これを「エクスポージャー」(暴露療法)といい、多くの学術論文で効果が認められています。

バンジージャンプのイラスト

たとえば、あなたが高所恐怖症だとします。バンジージャンプで高いところから飛び降りるなんて怖すぎます。

そんな場合、一生バンジージャンプをしないという選択もありますが(回避行動)、もしその「怖い」という感情を克服したいならば、まずはその怖さを存分に味わってみることがオススメです。

実際に、バンジージャンプを飛んでみます。

それはとても恐ろしいことですが、ここで大事なのは、「恐怖を感じてはいけない」「恐ろしくないようにしよう」とは思わないことです。

「怖い。怖い。怖〜い!」と、恐怖を全身で感じるようにします。口に出しても構いません。一方で、「自分はあえてこの課題に取り組んでいる」と意識しておきます。そして、怖さを存分に味わいながら実際に飛んでみます。

1年後、またバンジージャンプに挑戦してみます。ここでも怖さを否定せず、全身で味わうようにします。

2年後も3年後も、怖さを味わうようにします。

…すると、面白いことに大抵の場合、だんだんと怖さの度合いが減少していくのです。

 

不安障害やパニック障害の治療で多くの実績があるこのエクスポージャーの方法を、あなたの日常でも試してみましょう。

大勢の人の前で話すのが怖いときは、「緊張してはならない」ではなく「緊張してもOK」と、自分をそのまま受け入れてみましょう。あなたがありのままの自分を受け入れて、同時にその自分を観察することができれば、場数を踏むことで不安や恐怖は徐々に解消されていきます。

感情を否定するのではなく、受け入れる。行動してみる。それが変化へのガイドになります。

 

 

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