人間だものカタログ「アナロジー」

ヒトラーの髭のマンガ

 

ここに精密な時計がある。ということは、時計を作った職人が存在するということだ。ならば、この世界はどうか。人間、動物、樹木、天上の星々。美しく精密な森羅万象が存在するということは、創造主が存在することの証明にほかならない。

というような説明に、あなたは心動かされ、納得するでしょうか。

あるモノと別のモノに共通点がある。だから、あるモノに当てはまる性質が別のモノにも当てはまるはずだ、という考え方を「アナロジー(類推)」といいます。
アナロジーを上手に用いれば、人の心を鷲掴みにできます。善と悪について抽象的な議論が延々と述べられるよりも、善を太陽に、悪を影にたとえた方が、イメージを生き生きと呼び起こすことができます。

科学や法律の世界でもアナロジーは有効です。動物実験の結果が人間にも当てはまりそうだと考える。過去の事件と今回の事件の共通点から量刑を考える。これもアナロジーです。

あるモノと別のモノが、本質的な、または多くの共通点を有する場合、アナロジーは強くなります。そうではなく、両者の共通点が本質的でなかったり少なかったりする場合、アナロジーは弱くなります。

冒頭に書いた時計と世界のアナロジー。これは「設計論法」といって、古来多くの学者が、神の存在を証明するために用いてきました。たしかに、時計と世界は美しさや精密さにおいて共通しているところもあるでしょう。
しかし現代の科学は、複雑なモノが特定の製作者をもたず長い年月をかけて誕生するプロセスを解明しつつあります。

※この記事は旧ブログ「質問学」(2012-02-10)の転載です

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