「怒り」のフィルター

皆さんは、他人が怒っているところを見たことがありますか?・・・ありますよね!

そのとき、あなた自身もその人と一緒になって怒っているでしょうか? これはケースバイケースだと思います。Aさんが怒っているとき、あなたも同じように怒っていることもあれば、あなたはそれほどでもない場合、まったく冷静な場合など、いろいろでしょう。

「他人が怒ること」と「あなたが怒ること」が必ずしもリンクしないという事実は、怒りの感情をコントロールするヒントになります。

北九州のスペースワールドという施設のスケートリンクに5000匹の魚を氷漬けにした展示企画が、批判殺到で中止になりました。水揚げの段階で死んでいた魚を使用したそうですが、それでも「命の冒涜」だと感じて不快に思った人が大勢いたようです。

私自身は、このニュース記事を見て「趣味のわるい展示だなあ」と思いましたが、怒りの感情は湧いてきませんでした。

ところが、スペースワールドのFacebookページを見ると、「氷の水族館に関する不適切な表現で不快に思われた皆様にお詫び申し上げます」というお詫び記事に対して怒りのコメントを書き込んでいる人が何百人もいます。いわゆる「炎上」状態ですね。
怒りのコメントを書き込んでいる人のうち、直接の被害を被った人は、おそらくいないはずです。にもかかわらず感情を顕わに書き込みたくなる…。皆さんはどう思われますか。

ちなみに、ぼく自身は別のことで熱くなりやすい性質があります。

最近、Facebookで2人の友達のフォローを一時的に外しました。ひとりは(僕から見て)「ニセ科学」推進者の記事をシェアしていました。もうひとりは、「感動的なエピソード」をシェアしていたのですが、それは実在の有名人と「感動話」を無理やりくっつけた誤情報でした。

2つとも、シェアした人本人には、まったく悪気がありません。「役に立つ情報」「感動的な話」として自分のタイムラインでシェアしただけです。

問題は、ぼくの方にあります。以前はそういうシェアを見つけると、その間違いを指摘しなければ気が済みませんでした。でも相手がよっぽど親しい友達ならともかく、SNSで繋がっているだけで大して親しくもない場合は、いきなり情報の間違いを指摘されても不快になるだけです。

そんな反省もあって、最近は間違いを指摘したい衝動を抑えて、その人のフォローを一時的に外す(あるいは投稿を表示しないようにする)ようにしています。まあ、もし本当にその情報を修正したいのなら、2,3日経ってから落ち着いて指摘するという方法もあります。だけどほとんどの場合、2、3日経って自分が落ち着けば、誰かが間違った情報をシェアしていたことなんてどうでもよくなります。

怒りの感情については、「同じ出来事に対して怒る人と怒らない人がいる」という事実を知っておくと便利です。

逆にいうと、自分が怒っているとき、その原因の半分は自分自身にあります。自分の中に何らかの「価値観のフィルター」があって、そのフィルターを通して初めて怒りの感情がわき起こるのです。

あなたも私も人間だから、怒ることがあって当然です。ただ、怒りの感情がわき起こったときに、その責任をすべて相手に負わせるのではなく、「自分のフィルターを通って感情がわいている」ことを知っておくと、怒りをそのまま相手にぶつける以外の選択肢を持つことができます。

※この記事は旧ブログ「質問学」(2016-11-28)の転載です

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