REBTの友達論駁(ともだちろんばく)〜かけることばを同じにしよう
前回につづいて、論駁(ろんばく)シリーズ。「友達論駁(ともだちろんばく)」を紹介します。
「論駁(Dispute)」というと、何やら小難しくみえますが、そんなことはありません。
簡単にいえば、自分のなかの「見えない壁」(ガンコな思い込み)を和らげて、自分をもっと楽にしてあげることなんです。
REBTの友達論駁(ともだちろんばく)〜かけることばを同じにしよう
この漫画の登場人物は、友達が失敗して落ち込んでいるときには「なんとかなるよ」と優しい言葉をかけてあげることができます。
一方、自分が失敗したときには「もうダメかも…」と否定的な評価をくだしています。
つまり、友達に対するときと自分に対するときの基準がダブルスタンダードになっているわけですね。
○見えない壁(ガンコな思い込み)は何?
さて、漫画の2コマ目、自分に対して否定的評価を下しているときに注目してみましょう。
ここで知らず知らずのうちに抱え込んでいる「見えない壁」(イラショナルビリーフ=iB)は、たとえば次のようなものが考えられます。
(イラショナルビリーフの例)
- 「絶対に成功しなければならない」(そうでなければオシマイだ)
- 「失敗は恐ろしすぎる。耐えられない」
- 「いちど失敗したら、一生ダメ人間だ」
この「見えない壁」(ガンコな思い込み)に気づくことができれば、それを次のように変えていくことができるようになります。
「いちど失敗したら、一生ダメ人間だ」(ガンコで不健康な思い込み、イラショナルビリーフ/iB)
↓
「失敗したら残念だけど、決して終わりじゃない。なんとかやっていける」(柔軟な考え、ラショナルビリーフ/rB)
○友達と自分の基準を同じにする。(友達論駁)
ここで思い出したいのは、この主人公はもともと友達に対しては、高い壁を作らずに柔軟な見方ができていたんですね。
なのに自分に対しては、融通のきかない高い壁を作っていたというわけ。
皆さんも、失敗して落ち込んだときには、「もし友達だったらどんな声をかけるか?」試してみてはいかがでしょう。
その言葉を実際に声にだしたり、手帳やスマホにメモして何度もくり返したりすることも効果があります。
そうやって、より柔軟な考え方を自分に定着させていくのです。
認知行動療法のひとつであるREBT(論理療法)の「友達論駁」、ぜひ参考にしてみてください。
(参考)
『実践論理療法入門 ーカウンセリングを学ぶ人のためにー』(ドライデン/デジサッピ著、菅沼憲治訳、岩崎学術出版社)