自動思考をチェックすれば、変化する手がかりになる
皆さんは「夢占い」や「夢判断」を信じますか。眠っているときに見る夢によって、自分の未来や現在を知る方法ですが、その真偽は「???」です。
実は、夢でなく起きているときに、今現在の自分について知るいい方法があります。それは自分の中で勝手に浮かんでくる考え「自動思考」をチェックすることです。
私たちの頭の中ではふだん特別に意識しなくてもさまざまな考えが現れては消えていきます。
たとえば「○○(芸能人)が大ケガをした」というニュースを目にしたとき、あなたの頭には瞬間的に何らかの考えが浮かぶはずです。
「ああ、大変だ。大丈夫かな」と心配するかもしれません。「あのテレビ番組はどうなるんだろう」と、そちらが気になるかもしれません。あるいは、もしもその芸能人のことが大嫌いだと「自業自得だ。ざまあみろ」と思うかもしれません。「いっそのこと死ねばいいのに」という考えが自動的に浮かぶこともあります。
「死ねばいいのに」なんて思うことは、褒められた話ではないとあなたはよく知っています。でもそんな考えが自動的に浮かんできた、そして慌てて「そんなことを思ってはいけない」と頭の中で取り消すなんてことも。
認知行動療法ではこの「自動思考」が自分の状態を知る手がかりとなります。苦手な人を街で見かけたときに「嫌だな…」「気づかないふりをしなきゃ」という自動思考が現れて、その人を避けるとき、自動思考はあなたの深いところにある「想い」や「こだわり」や「価値観」を反映しています。
もしもあなたが「親しくない人と偶然会ったときは軽く挨拶して別れればいい」という考えを持っていれば、「気づかないふりをしなきゃ」という自動思考は現れないはずです。
「頑張った仕事が評価されなかった」「知り合いに笑われた」など、ネガティブな出来事に遭遇したときの自動思考をキャッチして、書きとめてみましょう。自分が何を恐れているのか、不安になっているのか。その奥に潜んでいる価値観や思い込みがあなたの目標を阻害するブロックとなっていることに気づければ、あなたは変化への手がかりを掴んだことになるのです。
○近況と告知
(近況)
今週はいよいよ動機づけ面接のトレーナー研修(TNT)があります。
もともとは米国ニューメキシコ州アルバカーキで動機づけ面接の開発者であるミラー先生たちの研修を直接受講する予定でしたが、コロナ問題を受けてオンライン研修になりました。
日本時間で夜中の1時から朝の8時30分まで3日間。なんとか体調管理して頑張りたいと思います。
海外の先生や研修参加者(プロの医師や支援職の方々です)から学んだことは、今後開催する研修や学習システムづくりにどんどん活かしていきます。
告知1:足立区のまちづくりオンライン研修(区外から参加可)
11月からは、私が在住する東京都足立区の助成を受けた研修がスタート。こちらは私が講師を務めます。
オンラインなので足立区以外、また全国どこからでも参加可能です。
○人と組織の意識が変わるワークショップ<1>「自己効力感と対話力が向上するコミュニケーション」(11/29, 12/12, 1/26)
○人と組織の意識が変わるワークショップ<2> 人と組織が幸せになれる意識づくりとコミュニケーション(A日程:12/13, 1/23, 2/13, B日程:3/6, 4/10, 5/15)
告知2:オンライン哲学カフェ
オンライン哲学カフェ「コーピング・レパートリーリストを作ろう!」も参加者募集中です。
世界的なコロナ禍で日常生活が大きな影響を受けている今年。認知行動療法をベースにしたストレス対応を気軽に学べるいい機会です。
皆様のご参加、また興味ある方への情報シェア、どうぞよろしくお願いします。
11月3日(祝)昼の部と夜の部があります。ご都合いい時間でどうぞ。
今後に向けて:誰もが気軽にセルフヘルプと共感的傾聴を学べるために
研修やワークショップを進めながら、誰もが気軽にセルフヘルプと共感的傾聴を学べる仕組みづくりを進めていきます。
ご興味ある方、近くに困っている人がいる方、ぜひご協力をお願いいたします。
(関連記事)REBTと動機づけ面接のアイデアスケッチ「家族のセルフヘルプ」