「単純な聞き返し」と「複雑な聞き返し」


傾聴/動機づけ面接の基本スキルOARS(オールズ)の中でも、聞き返し(Reflection)は最重要のスキルになります。

その聞き返しには深さの違いがあり、大きく「単純な聞き返し」と「複雑な聞き返し」に分類することができます。

  • 単純な聞き返し(Simple Reflection):相手が言ったことにほとんど、あるいは全く何も付け加えない。発言内容を単に繰り返すか、少しだけ言い換えを加える。
  • 複雑な聞き返し(Complex Reflection):クライエントが言ったことに対して何らかの意味を加えたり、一部を強調したり、まだ述べられていないが、このまま話が続けば次はこのような話になるだろうという推測になる。

(『動機づけ面接 第3版(上)』p85〜86)

この違いを理解するために、氷山をイメージしてみましょう。

氷山のイラスト

「単純な聞き返し」は水面上の「見えている部分」を聞き返す。つまり、相手がすでに発言したことをそのまま、あるいはそれに近い形で繰り返します。

一方、「複雑な聞き返し」は水面下の「見えていない部分」「深い部分」を想像して聞き返します。つまり、相手がまだ直接言葉にしていない、具体的な意味を推測したり、話の続きを返したりします。

そうすることによって、話し手自身がまだ気づいていないかもしれないことも含めて、その人の内面的な世界を一緒に探索するのです。

カール・ロジャーズと「複雑な聞き返し」

ロジャーズのセッション記録

※写真:『ロジャーズのカウンセリング(個人セラピー)の実際』(カール・ロジャーズ著/コスモス・ライブラリー)より

実際に、傾聴の元祖であるカール・ロジャーズのセッションを見ると、その応答のほとんどが「複雑な聞き返し」で占められています。

複雑な聞き返し(Complex Reflexion)をCRという記号で表すと、ロジャーズのセッションは CR, CR, CR, CR…となります。

一方、傾聴初心者は相手の言葉をそのまま繰り返すだけなので、単純な聞き返し(Simple Reflexion)をSRという記号で表すと、SR, SR, SR, SR…となるのが特徴です。

「単純な聞き返し」も大切

傾聴の奥深さの秘訣は複雑な聞き返しにあるとも言えますが、相手の言葉をそのまま繰り返す単純な聞き返しも基本スキルとして重要です。

「単純な聞き返し」の教材動画をアップしたので、よければ参考にしてみてください。

「単純な聞き返し」だけでも、相手に興味を持って理解しようとする姿勢が十分現れていることに注目していただけると嬉しいです。

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藤本祥和(「ハートのフィットネスクラブ」主宰、REBT心理士、動機づけ面接トレーナー)

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