REBTでダイエット:ダイエットできないのは意思が弱いから?
ダイエットにREBT(論理療法)を活用する方法についてです。
(REBTは認知行動療法のひとつ。入門編はこちら)
REBTでダイエット:ダイエットできないのは意思が弱いから?
まずは、質問。
あなたは、ダイエットができないのは「意思が弱いからだ」と思っていませんか?
「意思が弱い」…まあ、それも間違いではありません。
でも、REBTの理論からすると、「意思が弱い」以前の問題として、ダイエットできないあなたは「思い込みが強すぎる」のです。
ダイエットできないのは「思い込みが強すぎる」から
ちょっと考えてみましょう。
一例として、「チョコが目の前にあるとつい、むさぼるように食べてしまう。ガマンできない!」という状況を考えてみましょう。
あなたは、目の前のチョコを我慢することができない!
でも、他の人もみんなそうでしょうか。
あなたの友人は、チョコが目の前にあっても平気かもしれません。
なのにあなたは、目の前にチョコがあると、欲しくて欲しくてたまらない。チョコをガマンすることができない〜!
「自分はなんて意思が弱いんだろう」と落ち込むこともあります。
でもよく考えると、これはそもそも意思の強さの問題じゃないんですね。
だって、同じテーブルの友人は強い意志を発揮しなくても、平気でいられるわけですから。
問題は、あなた自身の思い込みなんです。
これはREBTのABC理論によって説明できます。
※ABC理論=出来事(A)が感情や行動などの結果(C)を決めるのではない。その人自身の「思い込み=ビリーフ」(B)が結果を決める、という理論。
同じチョコを目の前にしても、あなたと友達の結果がちがうのは、「思い込み」が違うからです。
たとえば、あなたはこんな思い込みを持っているのかもしれません。
「チョコを食べる機会があれば、絶対に逃すべきではない」
「私はチョコを我慢することができない」
こういった、自分がこうなりたいという目的(ダイエット成功)を妨げる思い込みのことを、REBTでは「イラショナルビリーフ」(不合理な思い込み)と呼びます。
「絶対に食べなきゃ!」という思い込みにツッコミを入れる
では、どうすればいいのか?
…そうです。あなた自身の思い込みを、もっと適切なもの(=ダイエットの目的を妨げないもの)に置き換えればいいのです。
この「目標への助けとなる」考えを「ラショナルビリーフ」(合理的な考え)と呼びます。
つまり、REBTの問題解決は、次の手順を取ります。
(1)目標達成を妨げるガンコな思い込み(イラショナルビリーフ= iB)を発見する
↓
(2)目標達成に向かいやすいフレキシブルな考え(ラショナルビリーフ=rB)に置き換える
そして次のステップとしては、そのイラショナルビリーフに対して、ツッコミを入れるわけです。
「チョコを食べる機会があれば、絶対に逃すべきではない」
という思い込みに対して、「それって本当?」と問いかけるのです。
そのツッコミの入れ方にもいろんな方法がありますが、ここでは1つだけ紹介します。
友達だったらどんな声をかけるか?
それは「(ダイエットできなくて困っているのが)友達だったら?とイメージする」方法です。
「チョコを食べる機会は、絶対に逃すべきではない」
と思い込んでいるのは、あなた自身です。
だけど、自分のことってなかなか冷静に判断できませんよね。
だったら、こうイメージしてみてはどうでしょうか。
目の前の椅子にあなた自身が座っていることをイメージします。
そして、まるで友達に話しかけるように、話しかけてみてください。
その友達(自分)に、どんな声をかけますか?
声のかけかたはいろいろあります。たとえば…
- 「チョコを食べる機会があれば、絶対に逃すべきではない」って本当?
- 誰がそんなこと決めたの?
- そのガンコな思い込みを持つことは、自分にとって得になると思う?
- 本当にガマンできないの?
などなど。
自分の問題を友達の問題だと置き換えることで、客観的に見られることもあります。
新しいフレキシブルな考えを持つこと
そして、ガンコな思い込み(iB)にツッコミを入れたあとは、フレキシブル(柔軟)な考え(rB)に置き換えます。たとえば…
【ガンコな思い込み】(iB)
「チョコを食べる機会があれば、絶対に逃すべきではない」
↓
【フレキシブルな考え】(rB)
「チョコを絶対に食べなければならないという理由はない。私はチョコに支配されるのではなく、ほどほどに楽しむことができる」
このフレキシブルな考えを身に着けられれば(そこに至るまでにはそれなりの努力が必要ですが)、ダイエット成功に一歩近づけるわけです。
自分の中のガンコな思い込みを発見して、柔軟な考えに置き換えるREBTの方法。ぜひ参考にてみてください。