家族に傾聴を使うコツ〜「傾聴しなきゃ」より「○○しよう」と考える!
傾聴を学び始めると、さっそく練習したくなります。
「さて練習相手はどこにいるか…」と周りを見渡すと、真っ先に見つかる練習相手は家族ですね。あるいは、親子関係など家族とのコミュニケーションを改善したい目的で傾聴を習い始める人もたくさんいます。
ところが、「家族を相手に傾聴を練習してみるけれど、うまくいかない。鬱陶しがられたり余計にギクシャクしてしまう」という悩みも耳にします。
そんなときのコツをご紹介しましょう。
「傾聴しなきゃ」ではなく「○○しよう」と考える!
家族に傾聴を使うときのコツ。それは、「ちゃんと時間をとって傾聴しなきゃ」と考えすぎないことです。
だって、たとえば子供の立場で考えたら、「お母さん(お父さん)が今から話を聞くよ」と言われても面倒くさいですよね。子供はいつもそんなに素直じゃありません。「ウザッ」と思われるのがオチです。
では、どうするか?
家族を相手に傾聴するときは、改まって「傾聴しよう」ではなく、まずは「理解しよう」と考えてください。いま目の前にいる子供(親、パートナー…)を純粋な好奇心で「理解する」。それならできると思いませんか。
(例1)息子の「ヤバイよ!」
たとえば、高校生の息子が帰宅して「体育の山田先生ヤバいよ〜」と言ったとします。
この「ヤバい」はいい意味で言っているのでしょうか、それとも悪い意味なのでしょうか? これだけでは分かりません。
だったら、まずは子供の言葉の意味を理解しようと聞き返してみましょう。
「『ヤバい』ってことは、すごく優秀だってこと?」
あるいは
「『ヤバい』ってことは、生徒に嫌われているってこと…」
相手の発言に対して、自分の理解を確認する。とても短いけれど、これは傾聴です。
(例2)父親の「今の政治家はダメだ」
父親がテレビを見ながら、「今の政治家はダメだ」と、文句を言っているとしましょう。
それに対して、相手の気持ちや考えを理解するために聞き返してみる。たとえば…
「お父さんは今の政治に不満があるのね」とか
「昔の政治家の方がよかった…(と思ってるんですね)」とか
「政治家はもっと国民のことを考えるべきだと思ってる…」など。
相手の気持ちや考えをまず理解する言葉を返してみる。これこそが傾聴の核となるリフレクション(聞き返し)の技法です。
もちろん、ごく簡単に「今の政治家ダメ…」と(理解を確認する意味で)返答してもOKです。
「今の政治家はダメだ」というお父さんに対して、「そんなことないよ。今の政治家も意外とちゃんとしてるんだよ」と反論したり、「そうそう。ダメな政治家ばっかりだよね」と同調したりすることと、「まず相手の言葉を理解すること=傾聴」との違いがわかりますか。
「傾聴」=「理解の確認」として家族に使おう
改まって「じっくり話を聞くよ」とやらなくても、日常会話の中で、賛成や反対やお説教やアドバイスではなく、まずは相手の言葉を理解しようとする。そして、その理解が合ってるかどうか言葉にして伝え返す。
これを繰り返すことで、傾聴は自然と上達していきます。ぜひお試しください。
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