MITIコーディング研修(6週間)修了!
MI(動機づけ面接)のコーディング研修(6週間)を修了しました。
この研修のテーマはMITI(動機づけ面接法治療整合性尺度)といって、ある面談が「どの程度MIの面接になっているか」について客観性を持って判断する方法です。MIを用いた研究を行う際の測定基準として使用するほか、トレーニングのフィードバックにも用いることができます。
何となく「よかった」とか「普通」とか「イマイチ」だと研究やトレーニングにも使いづらいですものね。
また現実には「あまりMIになっていないけれど、クライエントは協力的で面談はうまくいった」とか「MIのレベルは高いけれど、クライエントのモチベーションはほとんど上がらなかった」というケースもあります。
それらを踏まえて、なるべく客観的に、また(クライエントの反応そのものではなく)MIのスキルに注目した測定法になります。
MIには、カール・ロジャーズの流れをくむ来談者中心療法的な側面と、クライエントの「変わりたい気持ち」に焦点を当てる方向性を持った側面があります。(例えば、禁煙ならタバコをやめたい方向、DV支援なら加害者から離れるなど、方向性を意識して面談を進める)
また、医療、司法、教育など様々な分野の面談で必要となる情報提供の方法についても、それが「ニュートラルな情報提供」なのか「(一方的な)説得」なのか、「許可を得た説得」なのかも区別します。
MITIのコーディングの特徴をごく簡単にいうと…
(1)パートナーシップ(協働)やエンパシー(共感)がどの程度あるか
(2)「変わりたい気持ち」に焦点を当てて引き出しているか(「変わりたくない気持ち」に焦点を当てすぎないようにしているか)
(3)基本スキルOARSをどの程度用いているか
(4)情報提供をMIに一致した形で行っているか
などをコード化、数値化して判断します。
とはいえ、セッションは一種の「ナマモノ」であり、「これはどれに当てはまるのだろう?」と人によって判断が分かれることも少なくありません。
その意味で、ディスカッションの経験を積むことが大切になります。
今後、MITIをうまく活用しながら、動機づけ面接の研修に活かしていければと思います。もちろん自分のスキル向上にも。