中学生でもわかるREBT(論理療法)入門〜「見えない壁」の克服法(1)
REBT(論理療法)とは認知行動療法の一種で、ズバリ、心の中の「見えない壁」に注目する心理療法です。
中学生でもわかるREBT(論理療法)入門〜「見えない壁」の克服法(1)
皆さんも、失敗して落ち込んだり、悪口を言われて怒りが抑えられなかったり、宿題をグズグズ先延ばしにしてしまったり…など、感情や行動がうまくコントロールできないことってありますよね。
そのとき、「落ち込み」「怒り」「グズグズ」の原因は何でしょうか。
常識的には、感情や行動がうまくいかない原因は、出来事にあります。「失敗した」「悪口を言われた」「宿題が難しすぎる」、あるいは子どもの頃のイヤな体験、などなど。
ところがREBTでは、この原因について、さらに踏み込んで考えます。
だって、同じように失敗したり、悪口を言われたりしても、心理的ダメージを受けやすい人がいる一方で、平気な人もいれば、何とか克服しようと頑張っている人もいますからね。
つまり外部や過去の出来事が、(感情や行動という)結果の直接的な原因となるわけではないのです。
では、あなたが感情や行動をうまくコントロールできない原因は何か?
それはあなた自身がいま、心に抱えこんでいる「見えない壁」なのです。
この「見えない壁」をREBTではイラショナルビリーフ(不合理な信念)と呼んでいます。
つまり、REBTによるカウンセリングの基本的な方針は次のようになります。
1.感情や行動のコントロールが上手くいかないとき、その原因となる「見えない壁=イラショナルビリーフ」を特定する。
2.その「見えない壁=イラショナルビリーフ」は、その人が本来の目的へと進むことを妨げる硬直したもの(考え)なので、それをもっと柔軟で現実的なもの(考え)に変える。
3.さまざまな方法によって、新しい柔軟な考え方を定着させる。
いかがでしょうか。
次回は、出来事と結果と「見えない壁」の関係を、さらにわかりやすく「ABC」のフォーマットで説明します。(ABC理論)