REBTと2つの「価値」〜VALUEとWORTH
ある医師の先生から面白い話を聞きました。
それは「2種類の価値」の話です。
それを私なりに咀嚼&イメージ化して説明してみます。(かなり簡略化しています)
○誰かの役に立ち、選べる価値〜VALUE
ひとつめの「価値」はvalueです。
私やあなた、誰かにとって役に立つ、大切に思えるということ。
これは人それぞれ。みんなでワイワイ楽しくするのが好きな人もいれば、ひとりで読書するのが好きな人もいます。
競争して一番になることに情熱を傾ける人もいれば、周りの人と協調するのが好きな人もいます。
たとえば次の中から、あなたが魅力を感じる言葉を3つ選んでみてください。
(価値の例)
「冒険」「芸術」「心地よさ」「自由」「正確さ」
「友情」「ユーモア」「リーダーシップ」「成長」「健康」
「愛されること」「愛すること」「権力」「快楽」
「愛国心」「自尊心」「伝統」「お金」「ロマンス」
人によって結果は違うし、あなた自身の価値観も時間とともに変化するかもしれませんね。
このvalueは人が生きていくうえで大切なものですが、ときとして極端になることがあります。
「○○大学に合格したい!」ということに価値を見出して、がんばるのはいい。でも「○○大学に合格しないと、自分はもうダメ人間だ。生きる資格がない」となってしまうと、これは問題です。
「○○さんと仲良くなりたい」と願うのはいい。でも、「○○さんに拒絶されたら怖い、耐えられない」となってしまうと、感情や行動のコントロールが困難になってしまいます。
○誰かの評価にかかわらず存在する価値〜WORTH
もうひとつの「価値」はworthです。
これは、役立つとか評価されるということに関係なく、無条件で認められる価値。あなたが生きて存在しているだけで認められる価値です。
REBT(論理療法)では、この価値をUSAということがあります。
Unconditional Self-Acceptance=無条件の自己受容
他者からの評価とは関係なく、自分の価値(worth)を認めてしまうことが、人生を楽しむ土台となります。また自分の価値を無条件に認められる人は、他者や社会の価値も認めやすくなります。
○VALUEとWORTHを混同しないこと
2つの価値「VALUE」と「WORTH」を混同しないことが大切です。
失敗したり、間違えたり、不運に遭遇したり、人から拒絶されたり…あなたがいつも思い通りにvalueを手に入れられるとは限りません。
Valueは色とりどりのカラーボールのようなもの。落としたらまた拾えばいいし、新しいボールを見つけることもできます。
ところがvalueとworthを混同してしまうと、上手くいかないことがあったりしてvalueが損なわれたときに「自分の価値(worth)がなくなってしまった」「自分はもうダメだ」となってしまいます。
最初に紹介した4コマ漫画でいえば、あなたは揺るぎないworthとともに生きていて、さまざまなvalueを選んでいるのです。決してvalueの上に乗っからないことが大切です。