REBTと関数:数学好きのあなたに〜関数とビリーフのお話
中学高校の数学で習った「関数」。覚えていますか?
ものすごくざっくり言うと、REBT(論理療法)の発想はこの「関数」と同じです。
REBTと関数:数学好きのあなたに〜関数とビリーフのお話
関数は例えれば「ある箱に何かを入れると(input)、何かがでてくる(output)」ということ。英語では functionなので f(x)という表記をしてみましょう。
f(x)=2x+3
この関数のxに1を入れると…
f(1)=2×1+3=5
2を入れると…
f(2)=2×2+3=7
というように xにどんな数を入れても、f(x)の値が1つに定まります。
英単語の文字数
関数は必ずしも入力と出力が数字でなくても構いません。
たとえば入力を英単語にして、出力をその単語の文字数にもできます。
f(x)={xの文字数} としてみましょう。
f(bird)={birdの文字数}=4
f(hope)={hopeの文字数}=4
f(Japan)={Japanの文字数}=5
f(independent)={independentの文字数}=11
になります。
ちなみに最初の2つは、入力する単語はbirdとhopeで違いますが、出力はどちらも4ですね。
その国で一番高い山
別の例を見てみましょう。
f(x)={xで一番高い山}
xには国名が入るとすると、いろんな国名を入れることで、f(x)が変わってきます。
f(日本)={日本で一番高い山}=富士山
f(米国)={米国で一番高い山}=デナリ(マッキンリー)
f(フィリピン)={フィリピンで一番高い山}=アポ山
ちなみに、デナリは標高6,190m、アポ山は2,054mだとか。
○「ビリーフ」も「関数」
さて、論理療法で扱う「ビリーフ」も関数みたいなものです。
「出来事」をインプットすれば、「感情/行動」がアウトプットされるわけです。
もしあなたが「失敗したらもうダメだ。落ち込んで立ち直れない」というビリーフ(関数)を持っているとしましょう。
f(x)={xが起こると落ち込んで立ち直れない}
xには失敗の具体例が入るとします。
すると
f(試験に不合格)={「試験に不合格」が起こると落ち込んで立ち直れない}
→落ち込んで立ち直れない。
f(彼女に無視される)={「彼女に無視される」が起こると落ち込んで立ち直れない}
→落ち込んで立ち直れない。
「失敗」をインプットすると「落ち込んで立ち直れない」という感情・行動が結果としてアウトプットされます。
ビリーフ=関数を置き換える
ならば失敗というネガティブな出来事への対処として、どうすればいいのか。
そうです。あなたが持っている「ビリーフ=関数」を別のものに置き換えてあげればいいのです。
そうすれば、入力が同じでも、出力は変わります。
f'(x)={xは残念だけど現実に起こりうること。何とかやっていける}
f(試験に不合格)={「試験に不合格」は残念だけど現実に起こりうること。何とかやっていける}
→何とかやっていける。
f(彼女に無視される)={「彼女に無視される」は残念だけど現実に起こりうること。何とかやっていける}
→何とかやっていける。
ほらね。
「試験に不合格」とか「彼女に無視される」とかの入力(出来事)は同じでも、出力結果(感情や行動)は別のものになります。
これをケースごとに読み解いていくのが論理療法の方法です。
より現実的で、よりあなた自身の助けとなる関数(ビリーフ)を持っている方がいいとは思いませんか。