「自己肯定感」は気にしない!〜「○○○○○」のススメ


最近「自己肯定感」という言葉をよく耳にします。「自己肯定感を上げるために」とか「自己肯定感が低い人に」といったテーマの本も多くあります。皆さんはいかがでしょう?

私は、実は「自己肯定感」は気にしたことがありません。どうもピンと来ないのが正直なところで、「みんなで自己肯定感を上げましょう」みたいなネットの書き込みを目にすると、「ああ、何だかタイヘンそうだなあ」と思ってしまいます。

自己肯定感が上がったり下がったりのイラスト

もちろん、ちゃんと意味がある概念だと思うので、全否定しているわけではないのですが、私がなぜ「自己肯定感」を気にしないかについて、少しメモしてみます。

(1)「自己肯定感」は高めるもの?

自己肯定感を高めるイラスト

「自己肯定感」というと「高い」「低い」とか「高める」「上げる」などの言葉とよく使われています。

似た言葉に「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」があって、こちらは何かを成し遂げたり、達成したりすることができる能力があるという感覚のことです。たとえば運動がどの程度できそうとか、楽器の演奏技術とか、仕事の能力ですね。こちらは私もよく分かります。

ところが「自己肯定感」は個々の能力ではなくて自分自身についての概念なので、「自分自身を計りにかけてどうするんだろう」と、やや違和感が…。

(2)似た言葉がいろいろあってややこしい!

自己肯定感と似た概念

「自己肯定感」の説明を読むと、似た概念がたくさん登場します。上述の「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」とか「自尊感情(セルフエスティーム)」など。そこに紛れると、どうしても「結局、自己肯定感って何なんだろう?」と混乱してしまいそうになります。

(3)REBT(論理療法)では「○○○○○」が大切

REBT(論理療法)の中心的な概念に「無条件の自己受容」があります。私が普段「自己肯定感」を気にしない一番の理由はこれかもしれません。

「無条件の自己受容」とは「ものごとが上手くいっても上手くいかなくても、それを自分の価値とは連動させない。自分の価値は無条件で受け入れること」です。

「無条件の自己受容」のイラスト

何があっても、周りの評価がどうあろうとも、自分の価値は「無条件」で受容する。そして自分を無条件で受容できる人は、他の人のことも受容できるようになるし、この世界や人生も受容できるようになります。

この「無条件の自己受容」という概念が私にはしっくり来ます。

たとえばカウンセリングの場で、カウンセラーはクライアントの存在を無条件に受容します。クライアントにどんなにダメなところがあっても、条件をつけて判断するのではなく、(カウンセリングの場所・時間では)無条件で、温かく受け入れます。

あるいは、自分の子供たちについても、私なら「無条件の受容」がしっくりきます。勉強、運動、その他…もちろんできることもできないこともありますが、存在価値については条件をつけません。「○○ができたから価値を認める」のではなく、その存在は無条件で受容します。

自分自身についても同じです。

上手くいかないことだって沢山ある。悪口を言う人もいれば、無関心な人もいます。周りの評価はさまざまだけど、自分自身の価値はそれとは関係なく「無条件に受け入れる」。そうすれば、ものごとの結果や人からの評価に一喜一憂することなく、自分らしく生きられるようになります。

このように、私は「無条件の自己受容」が気に入っているので、「自己肯定感が低いから高めなきゃ」という考え方はしません。

○「自己肯定感」の参考書籍

さて、今回「自己肯定感」の参考書籍を買ってみました。

『ほんものの「自己肯定感」を育てる道徳授業(小学校編)』(諸富祥彦編著/明治図書)という本です。

他にもいろんな本があるのですが、「自己肯定感」の学術的な論拠が載っている本は見当たらず、明治大学の諸富祥彦先生ならカール・ロジャーズ関連でおなじみなので、まずはそれを参照しようと思いました。

本の表紙

○「浅い自己肯定感」と「深い自己肯定感」

本には3種類の「自己肯定感」の説明が載っていました。

「浅い自己肯定感」と「深い自己肯定感」の図

  • 比較的浅めの自己肯定感:「自分のいいところ」に目を向けることができる
  • 比較的深めの自己肯定感:「自分のダメなところ」も「自分の個性, 持ち味」という視点でとらえることができる
  • 深い自己肯定感:「自分のいいところ」も「悪いところも」も善悪という点から離れて、ただそのまま、あるがままに認めることができる。

「深い自己肯定感」…「自分のいいところも悪いところも・・・あるがままに認める」。なんだ、それって「無条件の自己受容」と同じじゃない?

○「自己肯定感」と類似の様々な概念

「自己肯定感」と類似した概念と「自己肯定感」の関係も載っていました。

「自己肯定感」と類似の様々な概念の図

  • 自己効力感(セルフエフィカシー):自分には、何かを成し遂げたり、達成したりすることができる能力がある、という感覚。(自己肯定感の行為達成能力的側面)
  • 自尊感情(セルフエスティーム):自分の良さを自分で評価し、自分の価値を認識できることに伴う肯定的感覚。(自己肯定感の認識的側面)
  • 自己有能感:いわゆる「自信」。「自分には、できることがある」という感覚。(自己肯定感の能力的側面)
  • 自己有用感:他者や社会とのつながりの中で「自分にも、人や社会のために、できることがある」という感覚。(自己肯定感の対人的、対社会的側面)

いろいろありますね。

そして、最後に「深い自己肯定感」を見てみましょう。

深い自己肯定感の説明

  • 深い自己肯定感(実存的自己肯定感):自分の醜いところや、人を恨んだり、妬んだりする気持ちも含め、ただそのまま、あるがままに認めることができる自己受容に伴って生じる肯定的感覚。

…やっぱりこれって「無条件の自己受容」では?

○「無条件の自己受容」のススメ

いかがでしょうか。もちろん、「自己肯定感」という概念にはそれなりの意味があります。

ただ、私が見るところ「上げたり下げたり」というイメージを伴いやすいこと、また、同様の概念との区別が複雑なこともあり、誤解を招きやすい側面がある気がしています。

「自己肯定感を高める」…大いに結構。

でも、もしもあなたが「自己肯定感を高めなきゃ。でも上手くいかない…」とモヤモヤしているなら、いっそのこと「自己肯定感」という言葉は忘れて、「無条件の自己受容」に本気でとりくんでみることもオススメです。

「高める」ではなく「無条件に受け入れる」感覚!

「無条件の自己受容」のイラスト

一切条件をつけずに、ただ人間として生きているだけで、自分はそれでいいのだとOKを出す。わかりやすいでしょう?

(関連記事)REBTと「無条件の自己受容」〜「自己肯定感」にご用心。「ビッグI」と「スモールi」

藤本祥和(REBT心理士、動機づけ面接トレーナー)

○イベント告知

オンラインサロン「ハートのフィットネスクラブ」モニターイベント(1)「オリジナル・ストレスコーピングリストを作ろう」無事終わりました。

告知画像

(アンケートより)

  • ご案内の仕方、開催時間帯、内容、進行、雰囲気、メンバー、メンター自分に合っていた とてもリラックスして時間を過ごせた。
  • 「色々なコーピングを持つことが大切、例えば…」と講座で習ったり本で読んでもなかなかやってみようと思わなかったり、実際の行動に結びつかないことも多いですが、 実際に小グループでお話しして、その方が自分の体験とともにお話ししてくださると、普段ならやってみようと思わないこともやってみたいと思ったり、グループでの対話型のセミナーならではの良さを感じました。
  • コーピングリストを作るという実践を含めた内容で、楽しく参加できました。藤本先生の講座に馴染みがあるからか、時間もそれほどタイトな印象は受けませんでした。むしろ気軽に参加できてよかったです。
  • 元々自身で持っていたリストの見直しと、拡大に成功した.その作業では自主的に選択する行動、考え方やみ方の変え方、支援を求めるコミュティー、あせらず呼吸と時間の捉え方等に分類できた事.これらの事からまた膨らませる事が出来た。
  • 毎回ですが、藤本先生の講座は概要説明→各論→実践→共有→まとめと流れがあるので、内容がとてもスムーズに入ってきます。Facebookで事前アンケートをとってくださったのも、予習の意味があってよかったです。

まだヨチヨチ歩きのプロジェクトではありますが、「良かった」「ぜひ参加したい」と言ってくださる方々がいて、嬉しく思いました。

4/24(土)にモニターイベント(2)「日常で役立つ傾聴」があります。

告知画像

無料イベントです。まずはコンセプトと中身を体験していただくところから。

ご興味ある方はぜひお気軽に体験してみてください。

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