ドライデン先生と先延ばしの克服法〜条件を取り払ってシンプルに行動する
3年前の今頃は、ニューヨークのアルバート・エリス研究所でREBT(論理療法)の研修を受けていました。
それから3年、ワークショップを開催したり、オンラインサロンを立ち上げたりするなかで、ますますREBTの面白さを感じています。
晴れの日もあれば雨の日もあるように、人は生きているかぎり感情の起伏があります。感情や行動がうまくいかないときに、最短時間(数分)で問題の原因にたどりつく! そこにREBTの面白さがあります。
◯先延ばしの相談〜ドライデン先生のライブセッション
REBTの世界的なエキスパートのひとりがイギリス在住のウィンディ・ドライデン先生。これまでの著書が250冊。コロナの状況下だけでも20冊の本を出版しているという、驚異的なセラピスト、研究者です。
私は去年、このドライデン先生にあえることもあり、インド・ムンバイまで行ってREBTの研修を受講しました。
ちなみに、この夏、J-REBT学会(人生哲学感情心理学会/旧・論理療法学会)では、基調講演にドライデン先生を迎えています。事前録画したビデオになりますが、最先端の講義を聞くことができます。(講演依頼は私が連絡係に。ふう〜緊張した。笑)
J-REBT 第24回大会 基調講演「REBTのアドバンスド・スキル」
◯先延ばしの克服法〜条件を取り払ってシンプルに行動する
このドライデン先生のライブセッションを(ほぼ)毎週、フェイスブックで視聴することができます。
1時間のライブの間に、3人のセッションを行うという、離れ業!
とはいえ、これは無理やり速くやっているわけではなくて、最短距離で核心に迫ることができるからなのですね。
先日のクライエントのひとりは先延ばし(procrastination)が悩みでした。
セルビア在住ですが、オーストラリアの会社と仕事をしているので、仕事の〆切りが深夜0時。
朝7時に起床して仕事に集中すれば夕方に終わるはずなのに、結局ダラダラと深夜まで作業になってしまう。
本当に困っているようでした…
先延ばしの克服…私も興味あります。
先日自分で「先延ばしの克服法」のワークショップを開催したこともあって、先延ばしの裏にどんな感情的問題(不安、怒り…)があるかなどいろいろ分かったつもりでいました。
ところが昨日のドライデン先生のアプローチは、今まで見たことのないものでした。
クライアントが仕事に取り掛かるときにどんな条件を設定しているかを見つけて、「その条件、実はいらないね」というような…
たしかに人は、ものごとを始めるときにあれこれと条件をつけていることがあります。
「締切が近づいてプレッシャーが掛かったら本気でやろう」とか。
「誰かが後押ししてくれたらはじめよう」とか。
「楽にできるならやってみよう」とか。
「やる気が湧いてきたら取り掛かろう」とか。
ところが、そんなあれやこれやの条件を取り払って、シンプルに取り掛かってみると、その仕事は不可能でもなんでもないことだったりします。
私達人間は鳥のように翼を広げて空を飛ぶことはできません。これは本当に、事実として不可能なのです。
一方、先延ばしせずにさっさと仕事に取り掛かる。これは「できない」わけではなく、やっていないだけです。
自分でいろんな条件をつけて、仕事に取り掛かることを回避しているのです。
そのときの相談者も「仕事を始めるにはプレッシャーが必要だ」とか「仕事の前にリラックスして気持ちを整えなければいけない」とか、自分でいろんな条件を課していることに気づいたようでした。
「◯◯の条件が整ったら、やろう」と思っていつも先延ばしにしてしまう人は、もっとシンプルに考えてみませんか。
「やろう」。これで十分です。
そして、1分でもいいからまず取り掛かってみる。いかがでしょう。
◯柔軟に考える〜セルフケアの習慣化
オンラインサロン「ハートのフィットネスクラブ」では、セルフケアの習慣化に役立つイベントを毎月テーマを決めて開催しています。
5月は「先延ばしの克服法」、6月は「フラストレーションのトリセツ」でした。
毎回、いろんなテーマに取り組みながら、頑固な「ベキ思考」ではなく、もっと柔軟な態度を身につけられるように習慣化を目指します。
7月はマインドフルネス、8月はアサーション(自分の意見を相手の立場を尊重しながらもしっかり伝えるコミュニケーションスキル)を扱います。
月額1000円の手頃な参加費、フィットネス感覚でセルフケアの習慣化を図る新しい形のコミュニティです。
お気軽にお問い合わせ、ご参加ください。
またこのコロナ禍の日本で、セルフケアを必要としている潜在的ニーズもあると思います。興味ありそうな方にはぜひ情報をシェアしていただけると嬉しいです。
藤本祥和(REBT心理士/動機づけ面接トレーナー/HFC主宰)