REBT(論理療法)とCBT(認知行動療法)は何がちがう?
REBTベーシックコースの2日目。
1日目の理論についで、今日はREBTを実践するうえでの13ステップを1日かけて。
今まで曖昧だったいろんなことがクリアになりました。
たとえるなら、REBTという「道具箱」があるとして、中に入っている道具のきちんとした使い方を教えてもらった感じ。
「なるほど、そうやるのか!」という発見がいくつもありました。
さて、ここで少し気になったのがREBT(論理療法)とCBT(認知行動療法)の違い。
REBTは広い意味での認知行動療法に含まれますが、アルバート・エリス(1913-2007)のREBTとアーロン・ベック(1921- 2021)のCBTには、次のような違いがあるとひとまず理解しました。
ものすごく大雑把ですが、とりあえず書いてみます。
ケース:LINE既読スルーで傷ついた女の子
「友達にLINEしても既読スルーばかり。私は嫌われてしまったんだ。不安で何も手につかない…」という女の子がいるとします。
素朴に考えると、「既読スルー」(事実)が原因で「不安」(感情)が結果に思えます。
でも、果たしてそうでしょうか。
事実と感情の間にある2段階のプロセス
ところが、この「既読スルー」から「傷ついて立ち直れない」までには、少なくとも2段階のプロセスがあります。
「既読スルー」(事実)
→「友達に嫌われた」(解釈)
→「友達に嫌われたら終わりだ」(信念)
→「不安」(感情)
この見過ごされていた「解釈」や「信念」の部分に注目します。
ここが変われば、感情も変わります。
「解釈」のCBTと「信念」のREBT
ここで、CBT、REBTそれぞれのアプローチがあります。
まずはCBTから…
事実から感情へといたるプロセスのうち、「友達に嫌われた」という解釈にツッコミを入れるのがCBT(例:本当に嫌われたの? 別の可能性は?)の特徴です。
「既読スルー」→「嫌われた」という自動思考を、客観的に見直してみるわけですね。
一方、REBTはというと…
「既読スルー」→「嫌われている」という解釈の部分にはツッコミを入れません。
とりあえずそこまで事実だと仮定します。
そして、その人が「嫌われたらオシマイだ」というビリーフ(信念)を持っていることが不安の原因だと考えます。
ならばそのビリーフをもっと柔軟なビリーフに変えることができれば、不安も解消できるというわけです。(例:嫌われることは残念だけど、だからって世界の終わりじゃない。何とかやっていける)
ちなみにREBTの解決策は「本当に嫌われているかどうか」という事実確認に左右されないため、「エレガントな解決」(Elegant Solution)と言うこともあります。(REBT側からの呼び方ですけどね)
○まとめ
単純にまとめれば、CBTは解釈に、REBTは信念にアプローチするといえます。
そしてどちらも、原因を特定したあとは、さまざまな方法を駆使して感情や行動の改善をはかります。
いかがでしょうか。
実際にはここまで単純ではなく、重なりあう部分も多いですが、CBTとREBTの特徴的なアプローチを知るきっかけになれば嬉しいです。
※この記事は2017年9月の記事のイラストを変えて改訂しました。
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