REBTのクリティカルA:トラブルだらけでもパニックをふせぐ方法
先日、トラブルだらけの日がありました。
私はラジオのディレクターをしているのですが、編集作業に使うメインのパソコンがなぜか使えない!(月〜金のレギュラー番組で量が多いので、数日でも滞ると仕事にならなくなります) ※1
データのバックアップはとっていたものの、ある仕事で必要な資料一式がなぜか見つからない! ※2
たまたま同じ日にクレジットカードの引き落としメールを受信。解約したつもりのサービスが1年延長で3万円引き落としになっている!(月2,500円でも年間だと3万円になります) ※3
みなさん、こんな風にトラブルが重なると、パニックになったり、イライラして何も手につかなくなることはありませんか?
そんなときに使えるいい方法があります。認知行動療法のひとつであるREBTで「クリティカルA」(=重大な出来事)と呼ばれる方法です。
REBTのクリティカルA:トラブルだらけでもパニックをふせぐ方法
クリティカルA=サイアクをイメージする
やり方は簡単です。
トラブルがきっかけで感情や行動が乱れそうになったときに、その出来事を「起こりうるサイアクレベル」までイメージするのです。
私の例で見てみましょう。
(1)パソコントラブル
1つ目はパソコンのトラブルです。
愛用のパソコンが壊れると、使用ソフトの関係もあり、代わりのパソコンがない状態でした。(少し前までもう1台あったのですが、娘が留学先に持っていってしまいました)
この場合の「サイアク」は何でしょう? 私の場合なら、こうです。
パソコンが壊れて、修理に出さざるをえない。とはいえその間も仕事は続くので、もう1台購入する必要が生じるかもしれない。
もう1台…マックのノート型なら20万円ほどでしょうか。大きい出費ですが、逆にいえば、サイアクでもそれで問題が解決することがわかりました。
(2)資料が見つからない
資料が見つからないと、1からやり直さなければいけない作業が生じます。時間もかかるし面倒です。
でも客観的にみれば、作業をやり直せばなんとかなることがわかりました。
(3)契約解除したつもりのカードの引き落とし3万円
一応掛け合ってみるつもりですが、先方が払い戻してくれないと3万円の損失になります。
でも、サイアクでも3万円ですむことが再確認できました。
(1)〜(3)を合わせると、サイアクの場合でも、合計23万円程度の出費と、作業のやり直しであることがわかりました。
たしかに出費は痛いです。作業は面倒です。でも「人生これでおしまい」「この世界のおわり」というほどひどい話ではないことがわかって、とりあえず安心することができました。
ちなみに、このシミュレーションはあくまで「サイアクの場合」です。
実際には、(1)パソコンはサポートセンターに連絡して復活 (2)バックアップの資料も無事発見(思っていたのと違うフォルダに入っていた) (3)3万円の引き落としも払い戻してもらうことができました。ホッ…
いかがでしょう。
「大事な取引先にいくときに、電車が止まって約束の時間に間に合わない」とき、もし不安、焦り、怒りで取り乱しそうになったら「サイアクをイメージする=クリティカルA」を思い出してください。
取引先担当者が大激怒する。取引がメチャクチャになって仕事を失う。…などなど。
起こりうるサイアクを想像し、でも、それがすべての終わりではないことを確認することで、自分の感情を「不安」「パニック」「落ち込み」などの極端なものから、もっと穏やかなものに変換することができますよ。
ぜひお試しください。