REBTと価値観:財布を持って子供が来ない!
自分の子供とかパートナーに、つい怒りをぶつけてしまうことってありません?
最近こんなことがありました。
仕事の打ち合わせに行くために、自宅近くの駅まで行ったところ、なんと、家に財布を忘れてきたことに気づきました。どうしよう…???
財布を取りに帰ると、往復15分かかる…。
そうだ! 家には妻と中学生の息子がいるはず。
電話して自転車で届けてもらうことにしました。
ところが…。
6〜7分も待てば現れるかと思っていた息子がいくら待ってもこない。
10分近くたち…さすがにおかしいと思って、もう一度妻の携帯にかけると、「ちょうどいま出た」とのこと。でもそこからも、なかなか現れない!
…相当の時間待って、やっとやってきました。のーんびり、ゆーっくり自転車を漕ぎながら。
帰宅後に確認すると、僕が妻の携帯に電話したとき息子はパジャマのまま朝食中。
ゆーっくりごはんを食べ、ゆーっくり着替えてから家を出たそうな…。
超マイペースな性格ではあるのだけど、これほどとは…
REBTと価値観:財布を持って子供が来ない!
怒る? 怒らない?
さて、上のイラストでは4コマ目で「何やっとんじゃコラァ」と怒っていますが(笑)、実際には、イラッとしたけれども怒ったりはしませんでした。
「なんか遅くない?」と苦情を言いつつも、一応は「ありがと」と財布を受け取り改札へ…。打ち合わせ時間の1分前に到着しました。
でも、「数年前ならきっとこんな風に怒ったんじゃないかな…」と思ったのです。
僕が多少なりとも怒らなくなった理由は、ABC理論にあります。
A:出来事(急いで財布を届けるべき息子がのんびりやってきたこと)
C:結果(怒りの感情)
というときに、Aが直接Cの原因となることはありません。
そこに何らかのガンコな信念(B)が介在するときに、初めて怒りの感情が沸き起こるのです。
B:信念(息子は絶対に急いで、最短コースで財布を届けねばならない!)
逆にいえば、思わず怒鳴ってしまうような強い怒りは、本来自分でコントロールできるはずなのです。
詳しくは、ABC理論の入門記事をどうぞ。
(記事)15歳の君にも分かる〜失敗への取り組み方:REBT入門(3)ABC理論
価値観〜その人にとっての「普通」のちがい
もうひとつ、ここで面白いのは、僕にとっての「普通」と息子にとっての「普通」が違っていたことです。
今回の場合、僕にとっては「相手が待っているのだから急いで財布を届ける」のが「普通」です。(もちろん交通ルールは守ったうえで)
実際、息子が小学生のころは、忘れ物があれば、僕が自転車に乗って追いかけたものでした。
ところが、息子にとっての「普通」は違っていました。
…「朝食を食べている途中だから、まずはそれを終わらせてから行こう」が、息子にとっての「普通」。
どちらがいいかは今は置いておくことにして、「普通」が違っているところは興味深いですね。
人によって「普通」や「常識」の意味するところが違うことがあります。
もう少し別の言い方をすれば、人はそれぞれ違う「価値観」を持っています。
ここは改めて記事にする予定ですが、人それぞれが持っている価値観を丁寧に探ることは、カウンセリング/セラピーの重要な要素になります。