動機づけ面接(MI)のダーンキャット!「変わりたいキモチ」七変化

この時期、新しいことに取り組んでみたいという人も多いのではないでしょうか。

スキルや資格の習得、英会話、運動、ダイエット、家の掃除、禁煙、Youtubeで動画配信…などなど。

ところで、科学的エビデンスに基づいて行動変容を促す対話スキルである動機づけ面接では、実際に行動するまでに発せられる「変わりたい」方向を目指す言葉に注目します。

それがDARN CATs

イラスト「DARN CADTs」

動機づけ面接(MI)のダーンキャット!「変わりたいキモチ」七変化

○変化の準備を示す言葉:DARN

DARNは変化の準備を示す言葉の種類。「願望」(Desire)・「能力」(Ability)・「理由」(Reasons)・「ニーズ」(Need)です。

イラスト。猫がピアノを弾いている。

「願望」(Desire)

たとえば、「何か新しい趣味を始めたいです」という言葉は「願望」の言葉。

「能力」(Ability)

「いままでずっと忙しかったけど、今は時間があるからピアノの練習もできるなぁ」。これは「できる」という「能力」を示す言葉。

「理由」(Reasons)

「もしもピアノが弾けたら、好きな曲のレパートリーを増やして、毎日楽しくすごせるだろうな」。これは「変化する=ピアノを始める」理由となる言葉。

もちろん理由は他にも考えられます。たとえば「ピアノが弾けたら女の子にモテるかも!」もピアノを始める理由になります。

「ニーズ」(Need)

「せっかく時間があるのだから、何か新しいことを始めなきゃ」。これは「ニーズ」(Need)を示す言葉です。

○変化への実行を示す言葉:CATs

そして、迷っている段階から抜け出して、いよいよ実行する段階の言葉もあります。それがCATs(Commitment, Activation, Taking Steps)です。

「コミットメント」(Commitment)

「そうだ、新しい趣味を始めよう!」は自分に対して約束する、あるいは宣言する言葉ですね。

「活性化」(Activation)

コミットメントまで至らなくても、「どうしようかな」という段階を抜け出し行動する方向に向かっている言葉です。「新しい趣味としてピアノを始める気になってます」など。

「段階を踏む」(Taking Steps)

実際の行動として何かを始めていることを示す言葉です。たとえば「Youtubeで好きな曲のレッスン動画を探しました」とか。

以上、「変化への準備を示す言葉(DARN)」と「迷っている状態を抜け出して変化の実行段階を示す言葉(CATs)」。いかがでしょうか。

このようなDARN CATsが判別できるようになれば、身近な人の行動変容をサポートしやすくなります。

○DARN CATsを使う例

DARN CATsの使い方の例を見てみましょう。

イラスト。体重計に乗る猫。

たとえば、あなたのパートナーがダイエットについてこんな発言をしたとします。

「頑張って痩せたんだけど、また戻っちゃった。もう無理かなと思ってる…」

ここでパートナーは「もう無理かなと思っている」と、「能力」(Ability)について否定的な発言をしています。

そんなときには相手のやる気を引き出すために、DARNの別の要素に言及することができます。

  • 「もういちど体重が減らせるといいなって思ってるんだね」(Desire 願望)
  • 「ダイエットすとどんないいことがあるの?(Reasons 理由)」
  • 「ダイエットはどれぐらい重要なの? たとえば0〜10の10段階でいうと」(Need 必要)

…などと、いろんな方向から行動変容に関わる言葉を引き出すことができます。

○まとめ:変化を示す言葉に注目すること

上記のようにDARN CATsに注目してやる気を引き出す技術をきちんと身につけるには継続的な練習が必要です。

いきなり難しいことはできませんから、最初は「変化へと向かう言葉」を見つけてそれを繰り返してあげるだけでも効果があります。

  • 「願望」(Desire):「…したい」
  • 「能力」(Ability):「…できる」
  • 「理由」(Reasons):「…したら〜になる」
  • 「ニーズ」(Need):「…しなきゃ」
  • 「コミットメント」(Commitment):「…します」
  • 「活性化」(Activation):「…する気がある」
  • 「段階を踏む」(Taking Steps):「…した」

その人の「変わりたい気持ち」を丁寧に聞くことで、直接説得やアドバイスをすることなく行動変容をサポートする動機づけ面接の方法の紹介でした。

※ちなみに、ここで紹介した英語の語呂合わせDARN CATsは “That Darn Cat!”(1965年)というディズニー映画に由来しています。邦題は『シャム猫FBI/ニャンタッチャブル』。

(参考文献)

  • 『動機づけ面接 第3版(上)』(ミラー&ロルニック著)
  • “Motivational Interviewing”(William R. Miller and Stephen Rollnick)

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