失業中で同窓会に行けない人の頭の中(REBT的考察)
対人不安について考えてみましょう。
Aさんの場合
Aさんはいま失業中です。
そこに10年ぶりの同窓会の案内が届きました。
幸い参加費くらいは出せるのですが、失業中なのでとてもじゃないが昔の友だちには会えません。
「みんなは俺のことをバカにするに違いない。同窓会なんてとてもじゃないが行けない」…そうつぶやいて、案内ハガキを破って捨ててしまいました。
皆さんはどう思いますか? Aさんが同窓会に「行けない」のは当然でしょうか?
さて、この話には続きがあります。
Bさんの場合
同じタイミングで、Bさんにも同窓会の案内が届きました。
Bさんも失業中で、状況はAさんとよく似ていましたが、Bさんはこう考えました。
「失業中の自分が同窓会に出席したら、笑うやつがいるかもしれない。ちょっとヤだな。でも、だからといって命まで取られるわけじゃない。せっかくの機会だし、余計なこと考えずに参加してみるか」
そしてBさんは、同窓会に参加しました。近況を聞かれると「いま失業中なんだよね」と頭をポリポリかきながらも、10年ぶりの再会を楽しんだのでした。
AさんとBさんの違い
いかがでしょう。
AさんとBさんは同じ状況ですが、Aさんは同窓会に「行けない」と言ってハガキを破り、Bさんは「余計なことを考えずに参加」してみました。
ここで分かるのは、Aさんが同窓会に「行けない」と言ったのは、決して「不可能」という意味ではなかったのです。
お金がなかったり、病気だったり、スケジュールが合わなかったりして「行けない」ということではなく、Aさんの心の中で何かが作用して、「同窓会に出席する」という行動に踏み出せなかったということ。
Aさんが同窓会に「とてもじゃないが行けない」と言うとき、Aさんの心の中には硬直した思い込みがあります。
それは例えば、次のような思い込みです。
「失業中のまま同窓会に参加して、周りから見下されたら、自分は無価値なダメ人間だ」
つまり、Aさんの頭の中はこうなっていたのでした。
「自分の価値は他人が決める。失業中の俺のことを他人は見下すだろう。つまり同窓会に行けば俺は無価値になってしまう。だからとてもじゃないが同窓会には行けない」
一方のBさんは、失業中であることを決して望ましく思っていたわけではありませんが、それを自分自身の価値と連動させることはありませんでした。
Bさんの頭の中は、こんな感じでした。
僕は失業中だけど、それで自分の価値が決まるわけでわけじゃない。ましてや自分の価値を他人が決めるわけではない。同窓会に行くか行かないかは、自分が決めればいいこと。
対人不安の原因のひとつは、「自分の価値は他人の評価によって決まる」という思い込みです。
すると、他人から低評価を受けそうな場には行けなくなります。
そして、回避行動を取り続けるかぎり、同じ状況になるとまた回避行動を取らざるを得なくなります。
AさんとBさんの何が違うのか、よかったら考えてみませんか。
藤本祥和(REBT心理士/動機づけ面接トレーナー/ハートのフィットネスクラブ主宰)
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