動機づけ面接(MI):変わりたい気持ち/チェンジトークを増やそう!

「傾聴しながらガイドする」対話法である動機づけ面接(MI)が伝統的な傾聴と異なるのは「ガイド」の部分です。

これは、傾聴によってクライアントとセラピストの間に信頼関係ができた後に行われ、クライエントの「変わりたい気持ち」を促進する効果があります。

英会話の勉強と睡眠を対比したイラスト

たとえば、「毎朝、英会話の勉強がしたいけど、睡眠確保も大事だし英会話は続けられる気がしない」という言葉には「変わりたい気持ちが現れた言葉=チェンジトーク」「変わりたくない気持ちが現れた言葉=維持トーク」が両方含まれています。

  • チェンジトーク:「毎朝、英会話の勉強がしたい。」
  • 維持トーク:「睡眠確保も大事だし続けられる気がしない。」

人が「変わりたいけど、変わりたくない」というアンビバレント(両価的)な状態にあるときは、絵で描くと次のような状態だと言えます。(CT=チェンジトーク、ST=Sustain Talk=維持トーク)

CTよりSTが多い状態のイラスト

この状態のとき、維持トークを減らしチェンジトークを増やすにはどうしたらいいでしょうか?

最初に思いつくのはアドバイスや説得ですが、第三者が「英会話は大事だよ。面白いよ」と一方的に勧めても、その人のチェンジトークが増加するとはかぎりません。逆に、「いやいや、そんなこと言われたって…」と、萎縮したり反発してしまったりすることもあります。

人は他人から押し付けられても変化できません。

自分自身が発する言葉によって初めて変化できるという性質があります。

CTが増えた状態のイラスト

面白いことに、クライエントの話を傾聴しながらその言葉を確認していくことで、それぞれの言葉/思いを強化することができます。

チェンジトークを聞き返せばチェンジトークが強化され、維持トークを聞き返せば維持トークが強化されます。

(正確に言えば、セラピストがクライエントの「鏡」となり、クライエント自身がチェンジトークを発することで、クライエントに行動変容がもたらされます)

 

チェンジトークを確認し伝え返すことは、たとえるなら植木に水をやってチェンジトークの花を咲かせるようなもの。

目の前の相手のチェンジトークを増やすこと、また、あなた自身のチェンジトークを増やすことに意識を向けてみませんか。

植木に水をやるようにしてCTを育てるイラスト

 

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